ろぼたん製作日記(2005年後半)

2005-07-18
 そろそろ冬眠から目覚めないと。というか遅過ぎるか。
   そうこうしてる間に始球式に出たり、
  ロボカップが始まってるのにまだ調整してて徹夜したり、
  生意気と評判のA氏から、背番号が「2」じゃないのは何故なんですかと 声を掛けられたり。
 で、ようやく厳しいレースウィークが終わった。
 次はまぁあまり手間のかからない範囲で ROBO-ONE Special に出て 第8回大会で本気ロボットを出す、というのが当初の予定だったんだけど…
   ところがなんか J-class に出れそうな寸法のロボットが出来てきたので J にも出るか、と色気を出しつつあるところに、えらい人から 「Specialでは成績を残しておいて下さい」との指示が。 どないせっちゅうねん。
 というわけで、迷ってる間(しかもロボカップ徹夜中)に締め切りが 来てしまったので、時間切れによるエントリー(?)。
 ちなみに「前田製作所」とは私の自宅のことで、某機械系商社の緊急出荷サービスで
「急いでるので土曜に自宅に届けて下さい」
「自宅にお届けすることは出来ません」
「あれ? 別の所に直送するのはOKですよね?」
「それは送り先が会社でないと出来ません」
「有限会社でも株式会社でもないただの屋号でも送れますよね?」
「それも事前に登録してあれば、であって、規則ですので個人宅には送れません」
というやりとりがあり、この時は苦渋をなめたが今後のために登録した屋号である。 先日使ってみたが確かにちゃんと自宅に送られてきた。なんやねん…。


2005-08-01
 そうか、8月5,6,7と3日間あるということは、金曜スタートということなのか…。 宿の予約していてようやく気がついた。
 Special 5種目を月曜から1日1種目で調整すればOK, とか思ってたけど 全然アカンな。
   とりあえず J-Class 用の機体。久しぶりにアルミ板金ロボを作った。
 何となく OmniHead の軸配置を思い出させるけど、プロポーションや 細部の出来をみると昔より技術が上がったかな、と思うが大差ない気もする。
   歩行。普通に歩けているとも言えるが、ややスリップ気味か。
   軽いと攻撃力が無い。こういう時こそアイデア勝負のはずだが、単なるパンチ。 モーション速いは七難隠す。
 しかし予選デモ2分は長いなぁ。 やることが無いというか、みんな時間持て余すんじゃないかな。
   Special 用の機体。第8回大会用に設計を進めていた機体が何となく出来て 来たので、急遽予定を繰り上げて投入。
 今回は前の OmniZero と余り変わっていない。爪先軸がついたのと、 腕も含めて全身同じサーボ(DSR8801)にしたのと…
   なんかちっちゃい扇風機がたくさんついてるくらい。
 こいつらが合計3A位食うので、冷やしてるんだか暖めてるんだか判らん。
   ようやく歩く所まで来た。
 しかしピンポン玉投げてみたが全然飛ばず、ドアノブには届かない。 まだまだやることあるなー。
 それにしても時間が無い。 新型機2機でのダブルエントリーなんてやるもんじゃないな…。 しかも風邪うつされて最悪コンディション。

2005-08-04
 月曜からいろいろありすぎて(トラブルばっかり)、とても更新してる時間が なかった。(いつもだが)
   今回の(Special用)ロボットは、肩にサーボセイバーを入れてみた。
 ところが強力そうなサーボセイバーを選んだにも関わらず、 組んでみると剛性が全然足りなくてぐにゃぐにゃ。 やはりロボットというのは相当ムチャな使い方をしているらしい。
(先に測定しとけばよかった、手で触った感じでは丁度良いかと思ったんだが)
   という訳で泣きながらサーボセイバー交換の図。このためにわざわざ互換寸法のアルミ部品を作るハメに。この時期にまだアルミ削るとは思わなかった。
 しかも一番交換が面倒な腰ヨー軸なんかにも入れてしまってて全バラ。
   …この時期やってはいけないことその1:足裏の変更。
 足裏は材料の節約のため妙な形状をしていたが、 支持多角形的には(あるいは最外周凸多角形的には)素直な 四角い足裏と同等のはず。 …と思っていたのだが、足裏が全部乗らない階段のステップに対しては そうではないことが判明。(判明っていうかちょっと考えたら判るやろ)
 また無駄なものを削ってしまった。
   巷で噂のハイボルテージ仕様を先取りすべく、15Vをかけてみた。
 結果、全身から煙が出た(ように見えた)。全てが終ったかと思ったが、 焼けたサーボは3個で済んだ。ラッキーと言えるかも知れん。
   ところでみんな使っている(Robo-One標準電源?)アルインコのDM-330MV。
 以前からこれの電圧調整のボリュームが、回すと簡単に15Vまで行くから 危ないなとは思っていたけど、蹴飛ばしたり転がしたりハードに扱われていた 会社のDM-330MVはちょんと触れただけでいきなり15Vになる様になっていた。
 いわゆるガリオームもしくはハンダクラックで、回路的にはさもありなん、 という感じ。だが結果は上記の通り悲惨である。 多分3秒くらいじゃないかと思うんたが。
 という訳で判ったこと: ハイボルテージ仕様ではない普通のサーボに15Vかけると瞬時に壊れる。(当り前やろ)
 そしてボリューム保護のアルミ部品を作るハメに。なんか作ってばっかりやな。
 それと最大でも9V位で止まる様に並列に固定抵抗入れとこうかな。
     突然、子供のおもちゃを分解し始める。
 値段が安いのでさぞ簡素な作りで小さな基板が出てくることを予想してたら、 意外なくらい複雑な配線と大きな基板。こんなん入るのか?

   そういえばコイツの方もやらねば。
 アイツに比べればコイツはあまりトラブルが無くて、楽と言えば楽であり。

   …この時期やってはいけないことその1:足裏の変更。
 重量に余裕があったので、「剛性の高い」足裏に変更。
 今回、実はフルオート戦闘をやろうかと思っていて、各種センサをたくさん 載せる必要があるかなと軽量化に励んでいたが、時間もないし遠距離PSDも Digi-Key で品切れになってるのであきらめた結果、こんな足裏になってしまった。
   板金が厚くて重すぎた試作1号機から、予備サーボとして 腕を引っこ抜いて持っていくことにする。ムゴい。
 そういや今回のロボットでは胸板、手先等に板厚0.5mmを使ってみたけど、 ちゃんと曲げを入れておけば意外なほど丈夫。紙みたいに薄くてペナペナなのに。
 次は板厚0.3mmに挑戦するか…。(缶ジュースがそれくらいだったような気が)


2005-08-05
 J-class の予選は8位で通過。まぁこんなモンか。
 今までは、ミスなくすべてうまく動けば予選1位は狙える(狙う)様に作って いたけど、今回は驚く様なギミックも動きもしなかったからなぁ…。 それと J-class のレベルが上がっているのもある。
 まぁ明日は淡々と戦おう。そしてスペシャル(の練習)か。 ネット喫茶でこのページを更新してる場合ではない。

2005-08-07
 なんかパッとしない週末だった…。ガク。
   J-class の本戦は初戦敗退。間合いがつかめず、有効な攻撃が出来なかった…。
 もっと練習すべし、というのが自分なりの結論。
   Special の方は、総合3位。せめて2位ならネタにもなるのに…。
 まず Stairs は、史上初の1段飛ばしでの登りを作っていて、 練習では普通に動いていたのに、本番ではなぜかいきなり転倒。 その後、ショックでプレステ受信機が動かなくなってしまった。
 サーボが電流食っても大丈夫な様に大容量のキャパシタ(0.25F)を 入れてるせいで、 ロボットについてる電源スイッチを切ってもなかなかリセットがかからず、 結果的にタイムアウト。(その後、控え室で普通に動いた…)
 まぁハードのトラブルと見てもいいけど、そもそもコケなければ こんなトラブルも無い訳で、調整不足(ロバスト性が足りない)と言えよう。
 トーナメント式の Dash はいきなり強豪のマジンガアと当たり、 寸差で敗北、ノーポイント。 赤いゴールを目指す画像処理はうまく動いたけど、 勝ち進んだとしても優勝できるタイムではなかった。 クジ運の問題だけではない。もっと精進せねば。
 Ball は、これも画像処理で軌道修正するようにしていて、それはそこそこ うまく動いたけど、投球モーションで何故か左に逸れ、白・青・白の7点で2位。 今のルールなら別に無理して画像処理で歩かなくても、 なるべく足がずれない静的な動きでモーション決め打ちで 投げきる方が良いような気がしてきた。 それなら現場で置き位置による微調整ができる (画像処理だと安定して同じ方向にずれる)。 もっと研究すべし、だった…。
 Door は一応クリア。ただドアを開けるための位置決めにモタつき、 タイム的にはパッとせず2位。 練習と、もっと許容誤差の大きいハンドを作るべきと感じた。
 Eagle は、これも一応クリア。 段差を降りるのを Stairs 風に真面目に作っていたが、 ステージがやたら滑るので(また)位置決めに苦労し、 しかも結局転倒していた。それなら最初から転倒しながら行った方がまだ速かった…。 タイムはベスト3には入っていなかった。
 という訳で、個別競技ではどれも優勝できず、2位が2個と(多分)4位が1個。
 ステージに魔物は棲んでいないので、全ては自分の調整不足やな。ガク。

2005-09-06
 悲惨だった。

 とだけ書いて終らせようかと思った位ヘコんでいた。
   Robo-One GP in キャラホビは優勝したが、何となくしばらく出場停止ムード。 足のオモリ、やり過ぎたらしい…。 優勝を取り消された訳ではないが、何かを全否定された様な気分でヘコむ。
   しかもその後の TBS の収録が最悪だった…。
 歩行系の競技はタイムを狙い過ぎて安定性に欠け、敗退。 バトルもクジ運良くてベスト4とパッとせず、 最後はバッテリートラブルと(私らしい?)結末。ガク。
   なんとなくテレビ収録はダメだったらやり直しが利くような気分で 臨んでいたのが敗因か。初心に戻るべし。
 バッテリートラブルは、バッテリーの劣化が原因。根本的には バッテリーの選択ミスで、消費電流に比べて容量が小さく、 使う度に熱で内部抵抗が徐々に増えていたらしい。 電圧や充電容量はチェックしていて問題なさそうだったけど、 いざ大電流を取ろうとすると出ないという状態だったらしい…。 決して充電を忘れていた訳ではないが、結果は同じである。
 ま、全て自分のせいとしか言えん。ROBO-ONE 本大会ではなくて良かった、 と思うことにする。最近、自分に甘いのでピシっとせねば。

2005-09-17
 (やや)なんちゃって走りは評価されたのかどうか判らんけど、 ESPカードの的当ては一応成功し、予選4位。
 今までは全てうまく行けば予選1位が狙えるつもりだったけど、 今回は何となく新しいアイデアが無く、小さくまとまってしまったので 4位で満足せねば。
   という訳で、予選が終ったので、あらかじめ用意してきた 本戦用の「重い」足裏にせっせと交換。
「ロボットの形状は予選・本戦を通じて変更してはならない」ので、 寸法が同じで材質だけ異なる足裏を用意して来たのである。
 しかし、予選結果発表の時に「形状を変更する場合や、 ややこしそうな場合は明日、事前に相談して下さい」と釘を刺される。
 うーん、宿に戻ってさんざん悩んだが、これはやっぱりやるなって ことだよなぁ、と考えてせっせと軽量バージョンに戻す…。何やってんねん。
 体重は 3.5kg と申請したけど、これじゃ 2.5kg くらいじゃないかな。 むしろ全体の中でも軽量級の様な気がする。 ま、やれるだけやるしかないな。

2005-09-18
 初戦は ARUMO-SiR と当たり、なんとなく体格差で勝利。
 第2戦は可愛い Aerobattler Pento 相手に悪役に徹し、勝利。
 その次のプティは全身 Dynamixel の強そうなロボットだが、辛くも勝利。
 準決勝は Dynamizer で、常に前転で攻撃ダウンしながら近づいてくるので、 全く隙がなく、何も出来なかった…。敗退。
 三位決定戦は車両型に変形する HSWR-07 で、向こうのトラブルもあり勝てた。
 最終3位と、今回は全く自信なかったけど終ってみればまずまずの結果。 ヒドいスランプは脱したということで、満足せねばなるまい。


2005-09-19
   3日目はRobo-One GP。
 初戦は(また)はじめロボット。(また)体格差で勝ってしまった。 申し訳ないが、坂本さんは幸せに満ちているので許してくれるに違いない。
 第2戦はマジンガー。後ろロケットパンチにやられてしまった…。 ダイナマイザー、マジンガー、トコトコ丸には勝てる気がしないなー。
 三位決定戦はヨコヅナグレート不知火の予定だったが、マシントラブルで 不戦勝。またも3位になってしまった。
 こりゃまた万年3位とか言われるかなー…。 万年2位よりさらにイヤなポジションである。


2005-10-17
 Technical Conference の原稿、一日5p くらい書いたら 水曜か木曜には終るかな、とか思ってたら、いきなり月曜が締め切りですと 日曜にメールが。大慌てで書く。
 そして大慌てで 9.4MB もある *.ppt を添付でメールしたら、 ビッグボスのメールボックスを溢れさせてしまった…。
 …関係者の皆様、すんません。慌てるとロクなことがないという典型ですな。

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前田武志 mailadr
(メールアドレス本当に変更中)