ろぼたん製作日記(2004年)

2004-03-21
   エントリーしていた ROBO-ONE Special には結局、行けなかった…。
モーションを作る時間が無かっただけで、大会当日は動けないこともなかった。 無理して行った方が良かったかな、という後悔も残らなくはないが、 まぁスケジュール管理が甘かったと反省しておいた方が良かろう。
 こうなると、次はどうするのか?を考えたくなる。 いや、次も順優勝?とかいう話ではなく、ロボットの方針として。んー、地味やなー。

2004-04-23
 第6回大会のルールが発表になったが、自分にはあまり関係ない変更という感じ。 足裏ルールが70%・20cmと変化がない以上、機体も変更の必要がないというのが 冷静な判断である。
 しかし、3ヵ月サイクルで完全新設計の機体を投入し続けた今、 機体を作らないというのも寂しいというか、刺激に乏しい。またやるか。
 という訳で、現在のスペックは、身長75cm・体重8.5kg とかなりの 大型になってしまった。足裏最大長は12cm と小さいが、これで一応 歩行には成功している(動画)。
 まぁこの機体はともかく、次の機体はどうするか。
 いい加減アルミ板金にも飽きたので CFRP+ABS にチャレンジしてみるか、 というのと、どのサーボでいくか?がポイントか。 X-SERVO が間に合えば良いんだが、手に入るのか?

2004-06-04
 知らない内に6月になってしまった。
   ABS + FRP 前提で設計を始めてみたけど、手慣れたアルミ板金に比べると非常に時間がかかる。
 曲面を多用するので、いいかげん「ちゃんとした」 CAD に移行しないとな、 と思いつつ、相変わらず Pro/Desktop でガリガリ。 NURBSってウマイ物?という状態。
   そして実物。こんなこともあろうかと会社に買わせていた積層型RP装置で作成してみたり。
しかし(多分)純粋なABSに比べても弱そうで、同じ重量ならアルミの方がまだ強そう…。FRPには及ぶべくもない。
 という訳で、方針レベルで迷い中。 なるべく軽量で剛性の高いロボットを作りたいなら、この作り方は向かない。
 予想通り(?) X-SERVO は遅れているし、仕事のせっぱ詰まり度も夏に向けて高まり中。
 5月はメカ、6月電気、7月ソフトとか思ってたけど、全然無理だったな…。
 ROBO-ONE 本大会のみを優先し、その他の競技会(ロボカップ国際大会、ROBO-ONE 韓国大会等)は全て断ってるけど、本当に出れるんだろうか?

2004-06-10
 エントリーだけは気合いを入れたんだが、似た様なことを考えてた奴は4人 もいたらしい。私は(また)No.2 。不吉な数字、とも言える…。
 ntpdate を動かしながら 00:00:00 にメールしたんだけどな〜。

2004-07-04
 知らない内に7月になってしまった。
   人は燃やしたFETの数だけ強くなれる。
 …かどうかは知らんけど、いわゆる俺サーボに挑戦してみたり。
 CPU は 48ピン版の3664、FET は 45〜50ミリオームのディスクリート品4つ、 あとは電源と通信ドライバ(RS232C)というシンプルな構成。 基板サイズは 13mm x 17mm。
   基板を作り、ファームウェアを書き、シリアル通信しながら サーボとして動作させる所までは来た。 燃やしたFETの数は12個(H-ブリッジ3回分)。
 写真の USB-A コネクタは大きさの比較用でしかないので要注意。 横に飛び出してる DIP の IC は入手が間に合わなかった 232Cドライバ(MAX3313)の代用品。
 で、今からこれを24個も作り、安定動作させ、大会に間に合わせるというのは、 ちょっと自信がない。
 さすが宮田さんがテクニカルカンファレンスで「これから全て包み隠さず明 かすけど、それは誰もついてこれないという自信があるから出来るのです」と 言ってただけのことはある。
 というか機体もまだ全然出来上がってないので、まずはそちらを優先させないと、 大会当日になって「俺サーボをやってたせいで機体が出来ていません」になってしまいそうで恐い。
 という訳で、X-SERVO の俺サーボ版 = X-俺SERVO の一番乗りは無理かも。 情けないが、嘆いている時間もない。

2004-07-19
 知らない内に7月後半になってしまった。
   ようやく部品が揃ったので組み立て。
 今回のロボットは軸内配線を徹底する予定。この写真は胴体のヨー軸で、 ここも軸の中(スラストベアリングの中)に配線を通す。
 さてクイズです。写真のベアリングにはこれからどうやって配線を通すので しょう? (答え:全てバラす…手順間違えたとも言う)
   という訳で3回位配線し直しながら、ようやく全身がつながったり。
 スタンドは定評ある城南通信機製…ではもちろんなく、 近所の100円ショップで買って来た「ザ・ワイヤーネット」3枚と「ザ・アルミ棒」。
   前から見た図。
 なんとなくショボくれている様にも見えるが、 これは3連休を全てロボットに使うために御協力頂いた 諸方面の方々へ頭を下げているのである。 胸プレートが外れているだけなのでは決してない。
 これからやること:  ところで X-SERVO はやたら熱くなる上、パルスを止めても短いパルスを送っ ても、サーボをOFFにすることが出来ない。 X-俺SERVO 化したくなるが、まだまだ他にやること (やらないと出場出来ないこと)は残っている。 ここはグっと我慢しなければ。

2004-07-27
 知らない内にあと10日になってしまった。
   股関節粉砕の図。
 ABS が想像以上に弱い材料であることと、X-SERVO + リチウムポリマー が想像以上にバカぢからであることが原因。 いや、悪いのは私の設計なんだけど。
   この時期にメカの設計変更するのもアレだけど、やらずに出るのも恐ろしい。 ついでに腰ブロックの剛性が低いのも気になってたのでアルミ化する。 これは強化前。
   強化後。かなり硬くなった。アルミ最高。私が悪かった。
いい加減、ちゃんと剛性計算しないとイカンなー。
   (軸内配線のおかげで)非常に面倒な配線作業を終えて、ようやく元に戻った。
 ついでに何故かスティーブン・タイラーモデルになっていたり。
(胸は社名ロゴ入れないと、社内での私の立場が危ないんだけどなー :)


2004-08-11
なんだか苦しいレースウイークだった…。
  火曜、腰ロール軸の位置変更を決意。 一部の部品を作り直し、組み込む。 当然、今まで作ってたモーションは使えない。 いわゆる「やはりモーションは3日間ですか」状態。
  水曜、画像処理をやってみる。タスクは風船割り。
風船の色を取得するタイミングを与えるためにプッシュスイッチをつけてたけど、 なんかロボットに触れると減点とか Robo-One 公式ページに書いてあったので撤去。 スティーブン・タイラーモデルにスイッチの穴があいてしまった…。
  木曜、各種モーション作成。
とりあえず二刀流の抜刀。
  階段登り。前回 10cm だったので、今回は 15cm に挑戦。 カマキリみたいなポーズで止まってしまってるのは気にしないように。
  金曜、出発の日。空港の喫茶店にて。
喫茶店でコンセントを借りてハンダづけ。 まぁ禁煙席じゃないし良いか、ということで。(そういう問題か?)
土曜、予選。(以下、写真なし)
二刀流+画像処理風船割り+15cm登りが一応全て成功したけど、結果は2位。 また A-Do に負けてしまった…。 考えてみれば、モノコック外装と合わせ、全てのデモが成功すれば予選1位は 取れるかという慢心もあった。 受けるのはやはりこういう方向性ではないのかなー。
日曜、本戦。
恐れていた Dynamixel 搭載ロボット(ROBOTIS)にいきなり当たり、初戦敗退。
クジ運が悪いと言えなくもないけど、優勝を狙うならどうせ当たる相手なので、 そういう言い訳は出来ない。 まぁ自分のロボットの安定性と戦闘力が劣っていたと考えるしかない。

…という訳で、今回の反省点はといった所か。
しかし、「次」の方向性が難しい。デカく重い路線で九大を越えられる気がせず、 小さく高剛性・高機動なら Dynamixel を越えられる気がしない…。
あんまり勝敗に拘らず、作りたい様に作って結果には期待しない、 しかないのかなー。

2004-11-後半?
Robo-One は Special の方が自分に向いている、という気がする。
 技術的なチャレンジという面が強いし、タイムや得点等といった評価軸が明確な点も 自分好みである。
 が、何故か巡り合わせが悪いというか、縁が無い。
 第1回大会は直前に緊急事態が発生してしまって参加できず、 今回の第2回大会も仕事がパンパンに詰まっていて、とても準備できそうにない。
 本当に仕事以外のことは何も出来ない状態で、バイクも乗れず本屋も行けず 子供の顔もロクに見れず、もちろんロボットなんて作れそうもない…。 こんな所で愚痴っていても仕方無いので、何とか復活出来る様に 考えるしかないんだけど。


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前田武志 mailadr
(メールアドレス本当に変更中)